目的・課題・解決方法
コンテナフォーマットの目的
コンテナフォーマット(IEC 63430)は、国際標準化機関の IEC(International Electrotechnical Commission)で現在標準化が進められている IoT システムにおけるデータ構造の規格です。 すなわち、センサデータのようなベンダごとに異なる構造を持つデータに対する、データレベルの標準インターフェイスです。
コンテナフォーマットでのデータの標準化(共通化)によって、システム構築に大きなメリットがあります。
以下は、コンテナフォーマットの標準化によるメリットを表したイメージです。
図 1-1: コンテナフォーマットの標準化によるメリット
また、このほかにも以下のようなメリットがあります。
- 複数のベンダーのセンサを組み合わせた柔軟なサービスの実現
- 新しいセンサを追加する際の対応が容易
- 標準規格による開発コスト削減やベンダロックインの排除
コンテナフォーマットが解決する課題
さまざまなセンサの信号は、デジタルデータとしてセンサ機器に取り込まれます。 取り込まれたセンサデータは、その機器の内部だけで利用されることもありますが、一般的には、無線通信や有線通信を介して外部の機器やサービスへ送信されます。
このとき、データの送信元のセンサ機器とデータの送信先の機器では、何のセンサのデータが転送されるか、どんな構造でセンサデータが構成されているかをあらかじめ把握しておく必要があります。 この際には、各ベンダーや機器ごとに独自のデータフォーマットが利用され、標準化されたデータフォーマットやデータ構造等は存在しませんでした。
このような場合、異なるベンダのセンサ機器を組み合わせたサービスを構築することが難しくなったり、ソフトウェア開発コストが高くなったりする傾向があります。
図 1-2: コンテナフォーマット標準化以前の状況
そのため、センサなどのやデバイスからデータを収集する際に以下のような課題がありました。
- 装置ごとのデータフォーマットを把握する必要がある。
- 開発コストが上がる。
コンテナフォーマットによる解決方法
入出力されるデータを何らかの規格によって共通化することで、異なるベンダの製品を組み合わせたサービスを、低い開発コストで構築できます。 そこで、様々な機器で送受信するデータを共通化するために、コンテナフォーマット規格による標準化を行いました。
図 1-3: コンテナフォーマット標準化による解決
コンテナフォーマットの標準化によって、課題を解決し、以下のようなメリットを得ることができます。
- 装置ごとのデータフォーマットを把握する必要がなくなる。
- 開発コストが下がる。